検査項目解説 掲載内容は、2022 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00041 |
TG (中性脂肪)3F015-0000-023-271 |
遠心
|
01 |
4日 冷蔵 |
酵素法(遊離グリセロール消去法) | mg/dL 30~149 |
包括11 D007 1 生Ⅰ |
1~2日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
00041 |
TG (中性脂肪)3F015-0000-023-271 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
4日 冷蔵 |
酵素法(遊離グリセロール消去法) |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
mg/dL 30~149 |
包括11 D007 1 生Ⅰ |
1~2日 |
備考
診療報酬
- 保険名称:血液化学検査/中性脂肪
- 実施料:包括11
- 診療報酬区分:D007 1
- 判断料区分:生化学的検査(Ⅰ)
チャート

臨床的意義
動脈硬化の危険因子。食後は高値になるため、採血は空腹時に行う。
中性脂肪は1~3分子の脂肪酸がグリセロールに結合した構造物で、それぞれmono-, di-, tri-glycerideと呼称される。血中では90%以上が、トリグリセライド(TG)という3分子の脂肪酸が1分子のグリセロールに結合した脂肪酸エステルの形で存在しているため、中性脂肪は一般にTGと同意語として用いられている。
食餌中の主要な脂質成分で1日50~100gも摂取され、リンパ管から胸管を経て血中に入り、エネルギーとして利用される。血清中では超低比重リポ蛋白(VLDL)やカイロミクロンの主成分として存在し、これらの形態でTGは血中を輸送されている。
TGは、エネルギー源としての糖質が不足してくると肝性トリグリセライドリパーゼ(HTGL)やリポ蛋白リパーゼ(LPL)により遊離脂肪酸とグリセロールに加水分解され、血中に放出されエネルギーとして利用される。
高TG血症は成因により、合成亢進型、処理障害型、混合型の三つに分けられ、一般に血中濃度が400~800mg/dL以上になると“乳び”といわれる血清が白く混濁する状態を呈する。
TGはコレステロール(特にLDL)に次いで動脈硬化の危険因子とされ、また、TGが1,000mg/dL以上の高値例は急性膵炎を起こしやすいといわれている。さらに、糖、脂質代謝異常のみならず、内分泌、腎疾患でも2次的に高値を呈する。
食餌の影響を大きく受け、食後は少なくとも数10mg/dLは上昇する。このため通常早朝空腹時に採血するが、あまり長時間空腹状態が続くと内因性のTGが上昇してくるので注意を要する。
【高値を示す病態】
家族性高リポ蛋白血症(Ⅰ型、Ⅱb型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型)、Tangier病、LCAT欠損症、糖尿病、甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、クッシング症候群、急性・慢性膵炎、ネフローゼ症候群、アルコール依存症など
【低値を示す病態】
無β-リポ蛋白血症、続発性脂質代謝異常(甲状腺機能亢進症、副腎皮質低下症、肝硬変、末期癌など)
参考文献
信岡 学: 検査と技術 21, 319, 1993.