部分発作に対する主要薬の一種である抗てんかん剤である。神経終末のシナプス小胞蛋白2A(SV2A)との結合で、発作抑制作用を発揮する。

1．作用
　レベチラセタムは、2010年に発売が開始された薬剤である。部分発作（二次性全般化発作を含む）のてんかん患者に用いられ、他剤で十分な効果が認められない場合には、併用薬として用いられる。

　作用機序は必ずしも明確になっていないが、脳において、神経終末のシナプス小胞蛋白2A（SV2A）と結合することで、抗てんかん作用を現す点が特徴的とされる。他にもN型Ca²⁺チャネルの阻害、細胞内Ca²⁺の遊離抑制、γ-アミノ酪酸（GABA）およびグリシン作動性電流に対するアロステリック阻害の抑制などの作用が報告されている。

　本剤は小腸から速やかに吸収され、血中タンパク質とはほとんど結合しない。健康成人6例に本剤250～5,000 mgを空腹時に単回経口投与した場合、投与後48時間までの尿中排泄率の平均値は未変化体として56.3～65.3 %、代謝物であるucb L057としては17.7～21.9 %であった。

　成人の血中濃度は、投与後およそ1.3時間でピークを迎え、血中半減期は成人で6～8時間、小児で5～7時間と比較的短い。投与開始後2日程度で定常状態に達するため、比較的短期間で薬効が期待できる。一方、高齢者での血中濃度半減期は10時間を越え、無尿状態の血液透析患者では24時間を上回るが、透析で3時間台に低下するといわれている。

2．禁忌など
　本剤の成分またはピロリドン誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しない。腎機能障害のある患者、重度肝障害のある患者、高齢者には慎重に投与する。

3．採血時期
　次回投与直前（トラフ）。

【主に用いられる疾患】

てんかん

【副作用】

下痢症，便秘症，傾眠，めまい，頭痛