検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
26988 |
5-ハイドロキシインドール酢酸 (5-HIAA) 〈尿〉4E070-0000-004-205 |
|
25 |
4週 冷蔵 |
LC-MS/MS | mg/day 0.6~4.1 |
95 D008 5 生Ⅱ |
3~4日 |
項目 コード |
検査項目 |
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26988 |
5-ハイドロキシインドール酢酸 (5-HIAA) 〈尿〉4E070-0000-004-205 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
|
25 |
4週 冷蔵 |
LC-MS/MS |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
mg/day 0.6~4.1 |
95 D008 5 生Ⅱ |
3~4日 |
備考
検体
- 「6mol/L塩酸(6N)約20mL(蓄尿1リットル当たり)」または「酸性ユリメジャー・T(関東化学株式会社製)」を加え冷所に蓄尿し、よく混和後、尿量測定の上、所定量をご提出ください(左記はいずれも市販品です。貴院にてあらかじめご購入ください)。
報告
- 5-HIAA濃度(mg/L)もご報告します。
診療報酬
- 保険名称:内分泌学的検査/5-ハイドロキシインドール酢酸(5-HIAA)
- 実施料:95
- 診療報酬区分:D008 5
- 判断料区分:生化学的検査(Ⅱ)
臨床的意義
セロトニンの代謝物を測る中枢神経ホルモン検査。偏頭痛やカルチノイド症候群の診断に用いられる。
5-HIAAは神経伝達物質であるセロトニン(5-ハイドロキシトリプタミン; 5-HT)がモノアミンオキシダーゼ(MAO)により代謝された物質である。セロトニンは中枢神経系の情動、知覚、自律機能に関与する一方、末梢組織では血管平滑筋の収縮、血小板凝集、消化管の機能調節などの多様な生理活性を持っており偏頭痛やカルチノイド症候群で増加が認められる。
セロトニンの90%以上は末梢臓器(腸管の腸クロム親和性細胞や血小板)に由来し、中枢神経におけるセロトニンは1~2%にすぎない。さらに、5-HIAAやセロトニンは脳血液関門(BBB)を通過しないため、血液や尿中に出るもののほとんどが末梢由来である。したがって、血中、尿中のセロトニンや5-HIAAを測定することにより、消化管のセロトニン産生腫瘍であるカルチノイド症候群の診断が可能である。
一方、髄液中の5-HIAA、セロトニンを測定することにより、中枢のセロトニン作動性ニューロンの動態を推定できるが、精神・神経疾患におけるこれらの変動については未だ不明な点も多くい。
(セロトニンの代謝経路図はチャート欄参照)
【高値を示す病態】
カルチノイド症候群、ダンピング症候群、片頭痛 など
【低値を示す病態】
錐体外路疾患、パーキンソン症候群 など
参考文献
Rosano, T. G. et al.: Clin. Chem. 28, 207, 1982.