検査項目解説 掲載内容は、2022 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00241 |
α2マクログロブリン5C035-0000-023-063 |
遠心
|
01 |
4週 冷蔵 |
ネフェロメトリー法 | mg/dL M 100~200 |
包括138 D006 18 血液 |
2~5日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
00241 |
α2マクログロブリン5C035-0000-023-063 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
4週 冷蔵 |
ネフェロメトリー法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
mg/dL M 100~200 |
包括138 D006 18 血液 |
2~5日 |
診療報酬
- 保険名称:出血・凝固検査/α2-マクログロブリン
- 実施料:包括138
- 診療報酬区分:D006 18
- 判断料区分:血液学的検査
臨床的意義
血中に最も多量に存在しているプロテアーゼインヒビター。ネフローゼ症候群で血中に増加。
血中にはさまざまなプロテアーゼが存在するが、α2 マクログロブリン(α2M)はそれらのプロテアーゼの活性を阻害するプロテアーゼインヒビターのなかで、血中に最も多く存在しているものである。
α2Mの分子量は約72万と大きく(アルブミンの10倍余)、α1アンチトリプシンのように蛋白を分解するタイプのプロテアーゼインヒビターと異なり、プロテアーゼを取り込み活性中心を包み隠す形で阻害作用を発現するユニークな蛋白である。
α2Mは通常、急性相反応蛋白には分類されないが、感染症や悪性腫瘍、炎症性疾患、膠原病で高値を示す。また、分子量が大きいため尿中にほとんど排泄されず、腎糸球体障害では血中のアルブミンの低下により相対的に増加するため、ネフローゼ症候群で血中に増加する。このためネフローゼ症候群の血清蛋白分画像ではα2 のピークが上昇する。
α2Mが減少する病態は増加するものに比べて少ないが、造血器系腫瘍や前立腺癌などで低下をみる。また、DICの場合に、α2Mの低下が認められることが多いが、これはα2Mとプラスミンとの間で複合体が形成され、血中から速やかに消失するためと考えられている。
生理的変動としては加齢があげられる。2~4歳で最も高値を示し、その後減少する。また、妊娠により増加する。
【高値を示す病態】
急性・慢性肝疾患、ネフローゼ症候群、慢性炎症性疾患、糖尿病、膠原病、悪性腫瘍 など
【低値を示す病態】
末期癌、造血器系悪性腫瘍(慢性リンパ性白血病、骨髄腫、リンパ腫など)、前立腺癌骨転移、DIC、関節リウマチ、心筋梗塞、遺伝性α2M欠損症、慢性閉塞性肺疾患、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、急性膵炎、炎症性腸疾患(クローン病など)
参考文献
飯村康夫, 他: 日本臨牀 42, (春季臨増), 1209, 1984.