検査項目解説 掲載内容は、2022 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00235 |
IgG 〈血清〉5A010-0000-023-061 |
遠心
|
01 |
4週 冷蔵 |
TIA | mg/dL 870~1,700 |
38 D015 4 免疫 |
1~2日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
00235 |
IgG 〈血清〉5A010-0000-023-061 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
4週 冷蔵 |
TIA |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
mg/dL 870~1,700 |
38 D015 4 免疫 |
1~2日 |
備考
検体
- チャート参照:生化学検査・免疫血清学検査などにおいて、多項目同時依頼の際の必要血清量は、[0.45 + (0.05 x 依頼項目数)]mLが目安となります。
参考
- チャート参照:透析管理料の対象項目です。
- 総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。
診療報酬
- 保険名称:血漿蛋白免疫学的検査/免疫グロブリン
- 実施料:38
- 診療報酬区分:D015 4
- 判断料区分:免疫学的検査
「IgG」、「IgA」、および「IgM」を測定した場合に、それぞれの実施料を算定できます。
チャート

臨床的意義
最も多量に存在する免疫グロブリンで4つのサブクラスに分類。唯一胎盤透過性をもち、慢性炎症性疾患などで増加する。
IgGは分子量約15万の蛋白で、5種類の免疫グロブリンのうち血中に最も多量に存在する。4つのサブクラスに分類され、その比率はおよそIgG1 65%、IgG2 25%、IgG3 6%、IgG44%である。
IgGは免疫グロブリンのなかで唯一、胎盤透過性をもつ。このため、新生児は母親がもっている免疫抗体を受け継ぎ、生後4~5カ月ごろまで母親由来のIgGが存在するとされる。
単分子のIgGは通常2本のHeavy chain(IgGではγ鎖)と、すべての免疫グロブリンに共通であるLight chain(κ鎖とλ鎖のいずれかを2本)より構成されている(チャート欄参照)。Fab部分の可変領域の多様性により、IgGも各種抗原に対したクローン性に存在している。
特に小児においてIgG4が、特異抗原に対するIgEに対して遮断抗体として出現する可能性があることが示唆され、アレルギー性喘息患者の減感作療法の指標にされている。
単クローン性の増加を示す疾患としては、IgG型骨髄腫や本態性M蛋白血症などがある。多クローン性の増加が見られる病態には、比較的慢性の炎症性疾患のほか、さまざまな肝疾患や膠原病、悪性腫瘍などで高値を示す。IgGの増加が多クローン性か単クローン性かの判定には免疫電気泳動が有用である。
【高値を示す病態】
[多クローン性] (比較的慢性の)炎症性疾患、膠原病(関節リウマチ、SLEなど)、慢性肝疾患(慢性肝炎、肝硬変)、伝染性単核球症、悪性腫瘍、ネフローゼ症候群 など
[単クローン性] IgG型骨髄腫、本態性M蛋白血症、H鎖病(γ鎖病)、パイログロブリン血症、クリオグロブリン血症 など
【低値を示す病態】
原発性免疫不全症、無γグロブリン血症、IgG欠乏症・欠損症、IgG型以外の骨髄腫、原発性マクログロブリン血症 など
参考文献
櫻林郁之介, 他: 日本臨牀 42, (春季臨増), 1214, 1984.