検査項目解説 掲載内容は、2022 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20133 |
IgGサブクラスIgG45A058-0000-023-062 |
遠心
|
01 |
2週 冷蔵 |
LA(ラテックス凝集比濁法) | mg/dL 11~121 |
377 D014 39 免疫 |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
20133 |
IgGサブクラスIgG45A058-0000-023-062 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
2週 冷蔵 |
LA(ラテックス凝集比濁法) |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
mg/dL 11~121 |
377 D014 39 免疫 |
2~3日 |
診療報酬
- 保険名称:自己抗体検査/IgG4
- 実施料:377
- 診療報酬区分:D014 39
- 判断料区分:免疫学的検査
臨床的意義
自己免疫性膵炎で著増が認められるIgGのサブクラス。IgG4関連疾患として他疾患との関連も示唆されている。
免疫グロブリンの中でIgGはもっとも量が多く、化学的性状や生物学的機能が異なるIgG1, 2, 3, 4の4種のサブクラスで構成されている。このうちIgG4は同サブクラスの中で最も量的に少なく、血清中のIgG総濃度の3~4%程度を占めるに過ぎない。
免疫異常で膵臓が障害される「自己免疫性膵炎」では、高γグロブリン血症や高IgG血症が認められることが知られていた。2001年、Hamanoらにより、硬化性膵炎症例の多くで、高IgG4血症が報告された。これを契機に「IgG4関連疾患」という疾患概念が新たに誕生し、IgG4 関連腎臓病やIgG4 関連硬化性胆管炎、IgG4関連甲状腺疾患など、様々な疾患単位が提案されている。
特にわが国では、自己免疫性膵炎患者の多くがIgG4関連硬化性膵炎の病像を呈するといわれ、その判定基準が厚生労働省研究班/日本膵臓学会の「自己免疫性膵炎臨床診断基準2011」にも収載されている。自己免疫性膵炎の画像所見は、ときに膵癌との鑑別が困難な場合があるため、IgG4の測定は有効な情報と考えられる。
また、間質性肺炎、動脈周囲炎など全身性疾患においても、血清中IgG4濃度との関連が注目されている。血清IgG4の意義については、長い間不明な点が多かったが、自己免疫性膵炎との関連を突破口に、各臓器の疾患も含め今後の解明が期待される。
■鑑別に有用とされる主な疾患
自己免疫性膵炎(IgG4関連硬化性膵炎)、Sjogren症候群、Mikulicz病、Castleman病、IgG4関連硬化性胆管炎、間質性肺炎、動脈周囲炎など。
参考文献
Usami, Y. et al.: Clin. Chim. Acta., 2019, 10.1016/j.cca.2019.10.032.
松木友里, 他: 医学と薬学 75, (7), 849, 2018, DOI:10.1016/j.cca.2019.10.032.