検査項目解説検査項目解説

掲載内容は、2021年10月1日時点の情報です。

入力コード 01370  統一コード 3D010 
項目名 グルコース (GLU)
glucose
実施料
包括11
判断料区分 生Ⅰ 
健康保険名称  血液化学検査/グルコース 
検査方法
酵素法
検査材料
NaF加血液
 
検体量(ml)
容器番号
保存方法
1 NaF加血液 2
04
冷蔵(凍結不可)
報告所要日数
1~2日
基準値(単位)  
mg/dL

70~109

※チャート参照:妊娠中の糖代謝異常と診断基準

臨床的
意義 
一般に「血糖値」と呼ばれる糖尿病の基本的な検査。食事の前後で変動が大きいが、空腹時で126mg/dl以上は糖尿病を疑う。
   一般に血糖として測定されるのはブドウ糖(D-グルコース)である。

 血中にはこのほかに乳糖、五炭糖、果糖、ガラクトースなどの糖類が微量ながら証明されるが、本測定法では2-deoxy-glucoseがわずかに干渉するほかはほとんど影響を受けない。

 血糖値は食事による摂取のほか肝臓で産生放出されるブドウ糖と、脳・筋肉・赤血球などの末梢組織での消費との間で動的な平衡状態を保っている。特に中枢神経系ではグルコースは唯一のエネルギー源であり健常人では血糖値がおよそ60~140mg/dLの間に調節されている。

 経口的にグルコースを投与すると4時間以内に約90%が門脈に入り、その5~10%が肝を通過する際に吸収され、残りは大循環系に入る。膵ランゲルハンス島β細胞より分泌されたインスリンは、筋肉、肝、脂肪細胞など組織へのグルコースの取り込みを促進して血糖値を下げ、また、肝からグルコースの放出を抑制する働きを持つ。このような調節機構が障害され、動的平衡状態のコントロールがきかなくなった場合に低血糖や高血糖が引き起こされる。

 高血糖を引き起こす代表的疾患は糖尿病である。膵β細胞の破壊によるインスリンの絶対的欠乏に基づくインスリン依存性糖尿病(1型糖尿病、またはIDDM)と、さまざまな段階のインスリン抵抗性または分泌不足に基づくインスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病、NIDDM)、さらにインスリン受容体などの遺伝子異常で起こる糖尿病と、妊娠糖尿病の4型に分類される。この他にも甲状腺機能亢進症、クッシング症候群などの内分泌疾患をはじめ、多くの病態で耐糖能の異常が認められる。

 一方、血糖値が60mg/dL以下の場合を低血糖状態といい、インスリンの過剰投与による外因性低血糖、インスリン産生腫瘍(インスリノーマ)によるものや、空腹時低血糖、反応性低血糖などに大別される。低血糖では異常な空腹感や冷汗がみられ、血糖値30mg/dL以下で傾眠傾向、20mg/dL以下では痙攣、昏睡を来たすとされる。

 ブドウ糖は採血後、そのまま室温に放置すると血球にある解糖系酵素により代謝され低値になる。このため必ず解糖系を阻止し、血液凝固を抑える目的でフッ化ナトリウム入り試験管で採血を行う。

 また、血糖値は動脈血、毛細管血、静脈血の順に高く、およそ10~20mg/dLほどの差が認められ糖負荷試験でその差は拡大する。また、全血の血糖値は血漿や血清での値を下回るが、これは赤血球中に占める水分の比率が少ない分だけグルコースの割合が減るためである。

 なお、簡易血糖測定機では、操作が不慣れであったり、機器の再現性の問題から値が一定しないことがある。正確な診断には検査室での測定が望まれる。

 チャート欄に血糖値と症状等から診断に至る流れ図を示す。

【高値を示す病態】
 一次性糖尿病(1型および2型糖尿病)、二次性糖尿病(慢性膵炎、肝硬変など)、グルカゴノーマ、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、原発性アルドステロン症 など(健常人でも食後は126mg/dl以上となるが、通常160mg/dl前後にとどまり200mg/dlを超えることはない。胃切除後の患者では一過性に200mg/dlを超えることがある(ダンピング症候群))。
【低値を示す病態】
 [反応性低血糖] ダンピング症候群(血糖値のピークを過ぎたのち)、機能性低血糖 など
 [空腹時低血糖] 下垂体機能低下症、低グルカゴン血症、副腎皮質機能低下症、肝癌、肝硬変、アルコール性低血糖、インスリノーマ など
 [外因性低血糖] 医原性低血糖(インスリン治療や経口血糖降下剤過剰投与に伴うもの)
関連項目 糖定量[尿検査], インスリン (IRI), グルコース負荷試験, グリコアルブミン (GA), 1,5-アンヒドログルシトール (1,5-AG), 抗GAD抗体[膵・消化管], 抗IA-2抗体[膵・消化管],
 

※チャート参照:手術前管理料の対象項目です。
チャート参照:緊急報告対象項目です(低値はNaF入りGlu用採血管使用のもののみ)。
チャート参照:透析管理料の対象項目です。
総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。

※チャート参照:糖尿病の診断(慢性的な高血糖の存在確認)
チャート参照:型の判定(1時点での高血糖の存在確認)

※総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。

チャート 

実施料について2

緊急報告対象項目とその基準

妊娠中の糖代謝異常と診断基準

型の判定(1時点での高血糖の存在確認)

糖尿病の診断(慢性的な高血糖の存在確認)

グルコースと乳酸・ピルビン酸の代謝経路

容  器 
提出容器

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