検査項目解説 掲載内容は、2021 年 12 月 01 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 有効治療濃度 実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

25787

エベロリムス

3M815-0000-019-053

 

 

EDTA加血液
1

指定容器 

 

07

 

7日

冷蔵

ECLIA

ng/mL

免疫抑制剤としてシクロスポリンと
併用した場合のトラフ 3~8
抗悪性腫瘍剤として
使用した場合のトラフ 5~15

管理料[470]

B001 2

2~3日

項目
コード
検査項目

25787

エベロリムス

3M815-0000-019-053

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法

 

 

EDTA加血液
1

指定容器 

 

07

 

7日

冷蔵

ECLIA
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

ng/mL

免疫抑制剤としてシクロスポリンと
併用した場合のトラフ 3~8
抗悪性腫瘍剤として
使用した場合のトラフ 5~15

管理料[470]

B001 2

2~3日

備考

項目

  • シロリムス投与歴がある患者検体は検査不可。

検体

  • 専用採血管に規定量を採血し、必要検体量をご提出ください。

算定

  • チャート参照:特定薬剤治療管理料

参考

  • 主な商品名:サーティカン、アフィニトール

「薬毒物検査」分野共通の特記事項

  • [ご注意]「主な薬物検査の採血時期」(チャート参照)をご参照ください。
    血中薬物検査をご依頼の際は、分離剤入り採血管は使用しないでください(測定値が分離剤の影響を受ける場合があります)。

診療報酬

  • 保険名称:特定疾患治療管理料/特定薬剤治療管理料1
  • 実施料:管理料[470]
  • 診療報酬区分:B001 2

チャート

特定薬剤治療管理料

容器

容器番号07:免疫抑制剤用容器

  • 採取量:
    5mL
  • 添加剤:
    EDTA-2Na
  • 保管方法・有効期間:
    常温
    容器および箱表示
  • 主な検査項目:
    シクロスポリン,タクロリムス,シロリムス,エベロリムス

臨床的意義

心・腎臓などの臓器移植に用いられる免疫抑制剤。抗癌剤として用いられる場合もある

1. 作用機序と体内動態
 エベロリムス(商品名サーティカン(R))は、2007年1月に心移植、2011年 12 月に腎移植に対する拒絶反応の抑制の効能が国内承認された新しい免疫抑制剤である。

 本剤にはアフィニトール(R)という商品名で、前述のサーティカン(R)と含有量が異なる製剤が発売されており、こちらは腎細胞がん、乳がん、膵神経内分泌腫瘍等の抗がん剤として承認されている。

 免疫抑制剤としてのエベロリムス(サーティカン(R))は、生体に投与されると細胞内結合蛋白であるFKBP-12(FK-506 binding protein-12)と複合体を形成する。さらに、細胞周期におけるG1期からS期への誘導に関与する調節蛋白mTOR(mammalian target of rapamycin)に結合し、細胞増殖シグナルを阻害する。mTORの下流にはp70S6キナーゼが存在し、細胞増殖シグナルが伝達されることによりp70S6キナーゼがリン酸化をうけ、細胞増殖が促進されるが、エベロリムスは、このリン酸化を阻害することでT細胞増殖を抑制し、免疫抑制作用を発揮する。

 抗がん剤としてのエベロリムス(アフィニトール(R))は、前述のmTORを阻害するが、mTOR蛋白は細胞増殖シグナルや血管発育シグナルを仲介するため、阻害によって抗がん作用が期待できる。すなわちmTORは、PI3K/Akt/mTORの伝達経路の構成要素で、PI3K/Akt の下流に位置し、がん患者ではその経路に制御異常が認められことがある。エベロリムスはその部分をターゲットとして腫瘍細胞のシグナル伝達を阻害し、腫瘍細胞の増殖を抑制する。さらに、血管内皮増殖因子(VEGF)の産生を阻害し、血管内皮細胞の増殖を抑えることで間接的な抗腫瘍効果も発揮する。本剤は抗菌薬、抗てんかん薬、睡眠薬など多くの薬剤と相互作用が知られ、CYP3A4など薬剤代謝酵素誘導作用によって代謝が促進されるため、血中濃度測定で適正にコントロールすることが望まれる
 また、高脂肪食摂取が本剤の薬物動態に影響を与え、Cmax(薬物投与後に得られる最高血中濃度)の低下が認められる。このため、食後または空腹時の一定の条件で服用して血中濃度を測定し、投与量を調節する必要がある。なお、免疫抑制剤として使用する際には、シクロスポリンのマイクロエマルジョン製剤(ネオーラル(R))との同時投与が推奨されている。空腹時の健康成人に本剤2mgを単回経口投与した際の体内動態は、Cmax : 17.9±5.9 ng/mL、Tmax : 0.5(0.50~2.0)時間、T1/2 : 31.5±6.4 時間とされている。(Tmaxは中央値および括弧内は範囲(インタビューフォームによる)

2. 禁忌
 本剤の成分またはシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者。妊婦または妊娠している可能性のある婦人。

3.採血時期
 次回投与直前(トラフ)

【主に用いられる疾患】
 ○サーティカン(R):心移植、腎移植における拒絶反応の抑制
 ○アフィニトール(R):根治切除不能または転移性の腎細胞癌、膵神経内分泌腫瘍、手術不能または再発乳癌、結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫、結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫
【副作用】
 悪性腫瘍、腎障害、移植腎血栓症、感染症、進行性多巣性白質脳症(PML)、BKウイルス腎症など

参考文献

小谷一夫: 今日の移植 26, (6), 505, 2013.

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記載内容について

記載内容について

検査項目名称

すでに日本語化しているドイツ語はそのままとし、それ以外のものはアメリカ英語読みに従いました。ただし、アイソザイムのようにほぼ日本語化している検査項目名称については慣例に従いました。また、略号が通例化しているものは、略号をもって検査項目名称としました。

「検査項目名」欄:JLAC10コード

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

検査材料に関する主な用語

検査材料 概要
血液 検査のために採取していただく肘静脈血を表します。
~加血液 採血後速やかに添加剤を混和した血液を表します。
添加剤の種類により、「EDTA加血液」、「ヘパリン加血液」、「クエン酸加血液」、「NaF加血液」などと表示します(所定の添加剤入り弊社指定容器に血液を採取してください)。
~血漿 採血後速やかに添加剤を混和し、遠心分離によって得られた血漿を表します。添加剤の種類により、「EDTA血漿」、「ヘパリン血漿」、「クエン酸血漿」などと表示します。なお、単に「血漿」とあるものについては、「備考」欄に添加剤の種類を別記しています。
血清 採血後、血餅の収縮を待って遠心分離して得られた上清を表します。特に添加剤を用いる必要のある場合は、その旨を「備考」欄に記載しています。
尿 原則として自然排尿された尿を表します。なお、「蓄尿」を要する場合、「備考」欄に使用する防腐剤の種類を別記しています。採尿方法については,以下を参考としてください。 1) 普通尿の場合: 新鮮尿を清潔な乾燥した容器に直接排尿するか,清潔な乾燥した携帯便器に排尿させ,指定の検体容器に直接 移し替えます. 2) 中間尿の場合: 清潔な排尿容器を手に持ち,放尿を開始します.最初は便器に排尿し,大体排尿が半ばに達した頃,排尿を中断 せずにそのまま採尿容器に放尿し,終わりに近づいた頃,再び便器に放尿します. 3) 無菌尿の場合: 男女とも陰部を刺激の少ない消毒液で洗浄しておき,清潔で乾燥した容器に中間尿を採尿します.細菌検査など の場合には,膀胱カテーテル法を用いて採尿しても構いません.

「容器」欄の番号

検体採取および提出時に用いる容器の種類は、巻末「容器一覧表」の頁に掲載する容器番号で表しています。また、容器番号の網掛け色は容器キャップの色を表しています。

「保存方法」欄の用語

提出材料の保存条件です(採取した材料そのものの保存条件ではありません)。検査項目によっては、検査成績が保存状態の影響を明らかに受けるものもありますので,お取り扱いにご注意ください。

必ず凍結(-10℃以下)保存してください。凍結温度指定のあるものは、その旨を記載しています。なお、凍結指定の項目については原則として単独検体でのご提出をお願いします。
4℃前後で保存してください。また、数日以上にわたって保存される場合は、凍結していただくようお願いします。なお,凍結不可の材料については、その旨を記載しています。
常温保存してください(20℃前後)。

「保存方法」欄:検体の安定性

適正な検査結果をお届けすることができる、検体採取後における提出用材料の保存安定性の維持期間です。

「基準値」欄の用語

M:男性(Male) F:女性(Female)

「基準値」欄の単位記号

L liter(=1,000mL)
dL deciliter(=100mL)
mL milliliter
mm3 cubicmillimeter
μ3 cubicmicron
g gram
mg milligram(=0.001g)
μg microgram(=0.001mg)
ng nanogram(=0.001μg)
pg picogram(=0.001ng)
U Unit
UA Allergen Unit
mU milli Unit(=0.001U)
μU micro Unit(=0.001mU)
IU International Unit
AU Arbitrary Unit
BU Bethesda Unit
RLU Relative Light Unit
R.U. RPR Units
T.U. Titer Units
U mmol millimole(=0.001mol)
μmol micromole(=0.001mmol)
nmol nanomole(=0.001μmol)
pmol picomole(=0.001nmol)
fmol femtomole(=0.001pmol)
mEq milli Equivalent
FE Fibrinogen Equivalent
BCE Bone Collagen Equivalent
mOsm milli Osmole
sec second
U min minute
h hour
% percent
permill
SI Stimulation Index
cpm count per minute
RBC Red Blood Cell
LogIU Log International Unit

マーク表記の一覧

マーク一覧
倫理対象 遺伝学的検査など倫理的な配慮が必要な項目です。
曜日指定 指定曜日のみ受託可能です。
単独検体 他の項目とは別に,専用の検体としてご提出ください。
複数検体 ペア検体での出検が必要な項目です。
指定容器 必ず指定容器でご提出ください。
溶血不可 溶血検体は検査値に影響を及ぼすため避けてください。
酸性蓄尿不可 酸性蓄尿は検査値に影響を及ぼす場合がありますので避けてください。
開栓不可 コンタミネーション防止などのため,検体採取後は容器を開栓しないでください。
遠心 遠心分離してください。
冷遠 冷却下で遠心分離してください。
遮光 遮光 直射日光や蛍光灯などを避け,遮光した容器でご提出ください。
診療報酬算定における,慢性維持透析患者外来医学管理料の包括対象となる項目です。
診療報酬算定における,手術前医学管理料の包括対象となる項目です。
FAX 緊急報告値が検出された場合に,速やかにご報告する項目です。
総合検査依頼書(弊社の標準的な依頼書)のマークチェックでご依頼が可能な項目です。
指定依頼書 使用する依頼書の種類に指定があります.備考欄に記しています。
専用依頼書 使用する依頼書の種類が通常外です.専用の依頼書があります。
遺伝学依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【遺伝子検査】」です。
先天依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【先天異常・染色体検査】」です。
本年度版で新たに掲載された検査項目です。