WEB総合検査案内 掲載内容は、2024 年 10 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
01839 |
β2マイクログロブリン 〈尿〉beta2-microglobulin5C065-0000-001-062 |
酸性蓄尿不可
|
25 |
3週 冷蔵 |
LA(ラテックス凝集比濁法) | μg/L 200 以下 |
98 D015 10 免疫 |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
01839 |
β2マイクログロブリン 〈尿〉beta2-microglobulin5C065-0000-001-062 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
酸性蓄尿不可
|
25 |
3週 冷蔵 |
LA(ラテックス凝集比濁法) |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
μg/L 200 以下 |
98 D015 10 免疫 |
2~3日 |
備考
検体
- 酸性蓄尿は検査不可。
- 尿はpH5.5~7.5を確認の上、ご提出ください。
参考
- チャート参照:透析管理料の対象項目です。
- 総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。
診療報酬
- 保険名称:血漿蛋白免疫学的検査/β2-マイクログロブリン
- 実施料:98
- 診療報酬区分:D015 10
- 判断料区分:免疫学的検査
容器
容器番号25:尿一般容器
- 容量: 10mL
- 添加剤: -
- 保管方法:常温
- 主な検査項目: 尿一般検査
参考文献
伊藤浩治, 他: 医療と検査機器・試薬 26, (2), 127, 2003.
検査項目解説
臨床的意義
糸球体濾過または尿細管再吸収機能の低下により、血中や尿中で増加する低分子タンパク質である。
β2マイクログロブリン(β2M)は、99個のアミノ酸よりなる分子量11,800の低分子タンパク質で糖鎖は持っていない。HLA抗原系A,B,CのL鎖を構成するタンパク質で、赤血球を除くほとんどの体細胞表面に発現している。
β2Mは、体細胞から1日に150~250 mg程度血中に放出されている。低分子タンパク質のため、糸球体でいったん濾過されるが、近位尿細管で99 %が再吸収され、その後アミノ酸やオリゴペプタイドに異化される。
糸球体濾過値(GFR)が低下すると、尿中へ排泄されなくなるため血中のβ2M値は上昇する。また、近位尿細管再吸収機能が低下すると尿から血中への再吸収が滞るため尿中β2M値が上昇する。このようにβ2M測定の臨床的意義は、糸球体と尿細管機能の評価にある。
例えば、クレアチニンクリアランスが80 L/日程度の比較的早期の糸球体機能低下でも、血中β2M値は上昇するため、糸球体濾過機能低下の早期指標となる。また、悪性腫瘍や自己免疫疾患、肝疾患などの腎前性疾患においても、β2M過剰産生による上昇が認められ、血中濃度が4.5 mg/L以上になると尿細管での再吸収が限界に達し血中、尿中とも高値をとる。
血清中β2Mは、比較的安定で生理的変動幅も小さい。一方、尿中β2Mは、妊娠や運動により増加する傾向があり、活動量の高い午前中から午後にかけては、尿中排泄量が増加する。また、pHが5.5以下の場合には酸性プロテアーゼにより分解され低値になるので注意が必要である。なお、血中、尿中とも低値側の臨床的意義は少ない。
【高値を示す疾患】
- [血中]
- ネフローゼ症候群,糸球体腎炎
- [尿中]
- ファンコニー症候群,急性尿細管障害,尿細管性アシドーシス
- [血中,尿中]
- 慢性腎不全,腎障害
関連疾患
N04.9.3:ネフローゼ症候群 → N00-N08:糸球体疾患
N05.9.1:糸球体腎炎 → N00-N08:糸球体疾患
N25.8.11:尿細管性アシドーシス → N25-N29:その他の腎・尿管の疾患
E72.0.6:ファンコニー症候群 → E70-E90:代謝疾患
N25.9.1:急性尿細管障害 → N25-N29:その他の腎・尿管の疾患
N18.9.3:慢性腎不全 → N17-N19:腎不全
N28.9.5:腎障害 → N25-N29:その他の腎・尿管の疾患
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.