WEB総合検査案内 掲載内容は、2024 年 11 月 1 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

25856

専用依頼書

リン酸化タウ蛋白phosphorylated tau protein

5C201-0000-041-023

単独検体

髄液

遠心

 

上清
0.3

 

02

指定容器 

88

 

 

 

 

-20℃以下

EIA

pg/mL

50.0 未満
(アルツハイマー型
認知症の診断基準)

641

D004 14

尿便

項目
コード
検査項目

25856

専用依頼書

リン酸化タウ蛋白phosphorylated tau protein

5C201-0000-041-023

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法

単独検体

髄液

遠心

 

上清
0.3

 

02

指定容器 

88

 

 

 

 

-20℃以下

EIA
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

pg/mL

50.0 未満
(アルツハイマー型
認知症の診断基準)

641

D004 14

尿便

備考

項目

  • 検体取り扱い上の問題のためクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)を強く疑う患者検体の受託はできません。
    「CJD疑い例」とは厚生労働省遅発性ウイルス感染調査研究班「クロイツフェルト・ヤコブ病診療マニュアル(改訂版)」における孤発型CJDの診断基準で「ほぼ確実例」と同様の臨床症状であり、特有の検査所見などを示す患者を指します。
  • お預かりした検体での追加検査や検体返却は不可(検体取り扱い上の問題のため)。

依頼

  • 『タウ蛋白・アミロイドβ関連検査依頼書』をご利用ください。

検体

  • 遠心分離を行い、必ず上清をポリプロピレン製の専用容器(スクリューキャップ式)に入れて凍結(-20℃以下)で保存ください(測定対象物質はポリプロピレンに吸着しにくいため)。
    検体は容器と共にお届けした専用袋に入れてご提出ください。
  • 必ずタウ蛋白・アミロイドβ関連検査の専用検体としてご提出ください。

日数

  • 測定は月1回です。
  • 本検査は「*21」へ再委託をいたします.

診療報酬

  • 保険名称:穿刺液・採取液検査/リン酸化タウ蛋白(髄液)
  • 実施料:641
  • 診療報酬区分:D004 14
  • 判断料区分:尿・糞便等検査

厚生労働省通知原文「注釈」

■ 「14」のリン酸化タウ蛋白(髄液)は、認知症の診断を目的に、患者1人につき1回に限り算定する。

認知症の診断を目的に、1患者につき1回に限り算定できます。

容器

容器番号02:汎用容器

  • 容量: 4mL・10mL
  • 添加剤: -
  • 保管方法:常温
  • 主な検査項目: 血清,血漿提出用

容器番号88:タウ蛋白・アミロイドβ用容器

  • 容量: 3.4mL
  • 添加剤: -
  • 保管方法:常温
  • 有効期間:外袋表示
  • 主な検査項目: タウ蛋白,
    リン酸化タウ蛋白,
    アミロイドβ(1-40),
    アミロイドβ(1-42)

参考文献

瓦林 毅, 他: 老年精神医学雑誌 24, (2), 119, 2013.
Hampel H, et al.: Arch Gen Psychiatry 61, (1), 95, 2004.
Shoji, M. et al.: J. Neurol. Sci. 158, (2), 134, 1998.

検査項目解説

臨床的意義

神経軸索内の微小管結合タンパク質である。細胞内輸送の安定化に寄与するが、リン酸化を受けると不安定となり、アルツハイマー病などの神経疾患を惹起する。

 タウ(ギリシア文字のτ)蛋白は、神経軸索内に存在する分子量約50,000の微小管結合タンパク質である。微小管の重合を促進・安定化する作用を持ち、細胞骨格を形成して神経細胞内のタンパク質輸送に関与している。

 いわば細胞内輸送の通路として機能しているタウ蛋白であるが、多数のリン酸化部位が存在し、リン酸化を受けることで不溶・凝集化して、組織に沈着するという性質を持つ。リン酸化で微小管が不安定になると、細胞内の物質輸送を妨げることになり、神経細胞毒性を生じ、最終的に認知症につながると考えられている。

 本邦の認知症患者は600万人以上と推定され、人口の高齢化に伴い増加が予想されている。中でもアルツハイマー病(alzheimer's disease:AD)は広く知られ、認知症の約40~60 %を占めるといわれている。

 タウ蛋白は、ADの病理学的変化像であるアルツハイマー神経原線維変化(paired helical filaments:PHF)の主要構成成分である。また、他の神経変性疾患においても、その異常蓄積が報告されている。このようにタウ蛋白が蓄積し、神経細胞死を起こす一連の疾患群をtauopathyと呼び、前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia:FTD)や進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy:PSP)など、非AD型認知症の原因とも考えられている。

【高値を示す疾患】

クロイツフェルト・ヤコブ病アルツハイマー型認知症髄膜脳炎

関連疾患

G04.9.6:髄膜脳炎 G00-G09:中枢神経系の炎症性疾患
A81.0.1:クロイツフェルト・ヤコブ病 A80-A89:中枢神経系のウイルス感染症
G30.9.1:アルツハイマー型認知症 G30-G32:その他の神経変性疾患
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.

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