検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00047 |
ナトリウム (Na)3H010-0000-023-261 |
遠心
|
01 |
4週 冷蔵 |
電極法 | mEq/L 137~147 |
包括11 D007 1 生Ⅰ |
1~2日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
00047 |
ナトリウム (Na)3H010-0000-023-261 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
4週 冷蔵 |
電極法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
mEq/L 137~147 |
包括11 D007 1 生Ⅰ |
1~2日 |
備考
診療報酬
- 保険名称:血液化学検査/ナトリウム及びクロール
- 実施料:包括11
- 診療報酬区分:D007 1
- 判断料区分:生化学的検査(Ⅰ)
チャート


臨床的意義
細胞外液中の陽イオンの主体。主要な浸透圧活性物質。
ナトリウム(Na)は細胞外液中の陽イオンの主体をなす電解質である。
通常、成人の生体内のNaの含有量は体重1kg当たり、およそ55mEqでその約40%が骨に含まれている。また、細胞外液では、陽イオンの大部分がNaイオンであり、細胞外液中の浸透圧活性物質からなる。
これらの恒常性はNaと水の代謝調節系により維持されている。血清中の浸透圧は、Na、Kと血中尿素窒素、血糖値からおおよそ次式により概算される。
血清浸透圧=2(Na+K)+BUN/2.8+Glu/18(電解質の単位はmEq/L、GluとBUNはmg/dL)
血清Na濃度の日内変動の幅はきわめて小さく、個人の生理的変動幅もきわめて小さい。一方、尿中Naの排泄量は摂取量にほぼ並行して変動する。しかし、腎外性Na喪失が増大すれば、排泄量が摂取量を大幅に下回ることで代償される。
[低Na血症がみられた場合]
腎臓は通常1~1.5L/hまでの水分摂取に対して、ADHの分泌抑制により体液浸透圧の低下を防ぐことができる。血清浸透圧の低下を伴う真性低Na血症の場合は、次の3型に分類される。
1. 細胞外液量の減少を伴う低Na血症
Naの摂取不足かNaの喪失が水の喪失を上回る場合(高度の発汗、腹水など)
2. 細胞外液量の増加を伴う低Na血症
体内Na量の増加を上回る水の貯留によるもので浮腫を伴う。
3. 細胞外液量の変化しない低Na血症
体内Naの増減はなく水の貯留によっておこり浮腫を認めないもの。
[高Na血症がみられた場合]
高Na血症はNa過剰摂取、もしくは水の欠乏によっておこるほか、視床下部の器質的な病変により浸透圧調節系が障害される本態性高Na血症も存在する。
【高値を示す病態】
下痢、嘔吐、発汗、本態性高Na血症、中枢性・腎性尿崩症、糖質・鉱質コルチコイド過剰、高張食塩水負荷時 など
【低値を示す病態】
Addison病、Na喪失性腎症、ADH分泌異常症候群(SIADH)、甲状腺機能低下症、代償性低Na血症(高度の高血糖、高BUN血症など)、偽性低Na血症(高脂血症、高蛋白血症など)
参考文献
大橋俊子, 他: 機器・試薬 11, 225, 1988.