検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
03982 |
D-ダイマー2B140-0000-022-062 |
遠心
|
15 ↓ 02 |
凍 |
LPIA | μg/mL 1.00 未満 |
包括130 D006 17 血液 |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
03982 |
D-ダイマー2B140-0000-022-062 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
15 ↓ 02 |
凍 |
LPIA |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
μg/mL 1.00 未満 |
包括130 D006 17 血液 |
2~3日 |
備考
項目
- 深部静脈血栓症の診断には画像診断の併用が推奨されます。
検体
- 必ず血漿分離の上、ご提出ください。
- 検体提出(容器番号 02番)は、4mL容器をご使用ください。
- チャート参照:出血凝固検査において、多項目同時依頼の際の必要血漿量は、[0.40 + (0.10 x 依頼項目数)]mLが目安となります。
- 3.2%クエン酸ナトリウム液0.2mL入り容器に血液1.8mLを正確に入れ、全量2.0mLにしてよく混和後、1,500×g、15分間遠心分離し、血漿を凍結してご提出ください(遠心力の換算表チャート、およびCLSI/NCCLSドキュメントH21-A5参照)。
参考
- 総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。
診療報酬
- 保険名称:出血・凝固検査/Dダイマー
- 実施料:包括130
- 診療報酬区分:D006 17
- 判断料区分:血液学的検査
チャート


容器
臨床的意義
FDPとの併用で、一次・二次線溶亢進の鑑別に用いる検査。線維素溶解療法時のモニターとしても有用。
凝固系の産物であるフィブリノーゲンやフィブリンが、線溶系をつかさどるプラスミンによって分解されると、FDPが産生される。ところがFDPは、一次線溶(フィブリノーゲン分解産物; FgDP)と、二次線溶(フィブリン分解産物; D-ダイマーなど)の両者を反映するため、生成されたFDPがフィブリノーゲン由来であるかフィブリン由来であるかの鑑別は困難である。そこで、フィブリン分解産物のみを選択的に測定する目的でD-ダイマーの測定系が開発された。
フィブリノーゲンはE分画、D分画、その他の小分画(B,β1-42,A分画など)からできており、分解産物がフィブリノーゲン由来の場合D分画はモノマーとして存在する。一方、フィブリン由来のD分画は、ⅩⅢaにより相互に架橋結合を受け二量体を形成しているため、ダイマーとして検出される。したがって、D-ダイマーの測定は二次線溶、すなわち安定化フィブリンの分解産物検出法として、一次線溶との鑑別に重用されている。
FDPが高値でD-ダイマーが正常であれば一次線溶亢進や先天性異常フィブリノーゲン血症の可能性が高い。また、FDPとD-ダイマーの両者が高値であれば、二次線溶も亢進状態にあり、代償性DICまたはpre-DICである可能性が高い。
また、D-ダイマーは線溶療法のモニターとしても用いられる。ウロキナーゼ(u-PA)または、組織プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)による線溶療法において、投与後のD-ダイマーの上昇によりその効果を知ることができる。
【高値を示す病態】
二次線溶の亢進状態、Pre-DIC、DIC、急性静脈血栓症、薬物投与(ウロキナーゼ、t-PAなど)、肺梗塞
【低値を示す病態】
低値側の臨床的意義は少ない
参考文献
末久悦次, 他: 機器・試薬 13, 859, 1990.