検査項目解説検査項目解説

掲載内容は、2021年11月1日時点の情報です。

入力コード 25716  統一コード 3M816 
項目名 ミコフェノール酸
mycophenolate mofetil
実施料
管理料[470]
判断料区分  
健康保険名称  特定疾患治療管理料/特定薬剤治療管理料1 
検査方法
LC-MS/MS
検査材料
EDTA血漿
 
検体量(ml)
容器番号
保存方法
1 EDTA血漿 0.3
14 → 02
冷蔵
検査材料備考

※血清も検査可。

報告所要日数
3~4日
 
μg/mL
臨床的
意義 
臓器移植後の拒絶反応を抑制する免疫抑制剤代謝速度に個人差が大きい上、血中濃度は腎不全で上昇、併用薬によっては低下する。
  1. 作用機序と体内動態
 ミコフェノール酸(MPA:商品名セルセプト(R))は100年以上前にPenicillium属の発酵生成物の一つとして発見された免疫抑制剤で、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)は、その有用性をより高めるため合成された誘導体である。

 MMFは体内に入ると、加水分解により速やかにMPAに代謝され、 de novo経路の律速酵素であるイノシンモノホスフェイト脱水素酵素(IMPDH)を不競合的、可逆的かつ特異的に阻害することにより、GTP、deoxy GTPを枯渇させ、DNA合成を抑制する。

 核酸の生合成経路には de novo系とsalvage系が存在するが、MPAはsalvage系酵素には影響しない。リンパ球細胞の増殖を選択的に抑制することで免疫系を抑制し、臓器移植後の拒絶反応を形成されにくい方へ誘導し、対移植片拒絶反応(GVHD)の発症を抑制する。

 なお、本剤はグルクロン酸抱合により尿中に排泄されるが、この反応に関与するグルクロン酸転移酵素の発現量には個体差がある。発現量が多い場合は本剤の排泄が早まることにより血中濃度が低下し、発現量が少ない場合は排泄が遅延するため血中濃度が高くなる。また、シクロスポリンとの併用で血中濃度低下が報告されており、腎不全では上昇する。このため血中濃度のモニタリングは重要である。

 MMF 1,000mgを単回経口投与した際のMPAの体内動態はCmax : 24.0(11.9)μg/mL、Tmax: 0.726(0.443)時間、T1/2 : 15.8(8.40)時間とされている。(括弧内は標準偏差、インタビューフォームによる)

2. 禁忌
 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与を避ける。

【主に用いられる疾患】
 ○腎移植後の難治性拒絶反応の治療(既存の治療薬が無効または副作用等のため投与できず、難治性拒絶反応と診断された場合)
 ○腎移植、心移植、肝移植、肺移植、膵移植における拒絶反応の抑制
【副作用】
 感染症、進行性多巣性白質脳症(PML)、BKウイルス腎症、汎血球減少、好中球減少、無顆粒球症、白血球減少、貧血、赤芽球癆、悪性リンパ腫、リンパ増殖性疾患、悪性腫瘍(特に皮膚)など。
 

※ミコフェノール酸(MPA)はミコフェノール酸モフェチルの活性代謝物です。

※チャート参照:特定薬剤治療管理料

※主な商品名:セルセプト

チャート 

特定薬剤治療管理料

容  器  
採取容器
提出容器

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