検査項目解説検査項目解説

掲載内容は、2021年11月1日時点の情報です。

入力コード 26229  統一コード 3M814 
項目名 シロリムス
sirolimus
実施料
管理料[470]
判断料区分  
健康保険名称  特定疾患治療管理料/特定薬剤治療管理料1 
検査方法
LC-MS/MS
検査材料
EDTA加血液
 
検体量(ml)
容器番号
保存方法
1 EDTA加血液 1
07
冷蔵
検査材料備考

※専用採血管に規定量を採血し、必要検体量をご提出ください。

報告所要日数
4~10日
 
ng/mL

※ご参考:推奨トラフ値は5~15ng/mLです(有効治療濃度は設定されていません。推奨トラフ値はあくまでリンパ脈管筋腫症治療時の投与量の目安としてご利用ください)。

臨床的
意義 
肺リンパ脈管筋腫症(LAM)の新しい治療薬。CYP3A4を介して代謝されるため併用薬留意の上、TDMが推奨される。
  1. 作用機序と体内動態
 シロリムス(商品名ラパリムス(R))は2014年に日本において世界で初めて承認された肺リンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis,LAM)の治療薬である。LAMは稀な疾患で、日本での有病率は100万人に1.2~2.3人程度、妊娠可能な年齢の女性に好発し、男性での発症は極めてまれである。本症は平滑筋に似たLAM細胞が、肺やリンパ節で増殖し、リンパ管の新生を伴い肺に嚢胞を形成、呼吸不全をもたらす原因不明の難病である。LAMの進行は緩徐で不可逆的であり、肺病変に結節性硬化症(TSC)を合併する「TSC-LAM」と、肺単独で発症する「孤発性LAM」に分類される。

 1990年代にTSCの病因遺伝子(腫瘍抑制遺伝子)としてTSC1とおよびTSC2が発見され、病因および発症への関与が報告されている。本遺伝子はそれぞれハマルチンとツベリン、2つの蛋白質をコードしており、これらが複合体を形成し、ラパマイシン標的蛋白質(mTOR)を制御している。

 TSC1/TSC2 の遺伝子変異によりハマルチン/ツベリン複合体の制御機能が失われると、恒常的にmTORが活性化されスイッチが入りっ放しの状態となり、LAM細胞は増殖し続けてしまう。

 本症の治療に用いられるシロリムス(ラパマイシン)はmTORの阻害剤で、mTORとraptorの結合を阻害し、mTORC1を抑制することにより、活性化されていたLAM細胞の増殖を抑制することで薬効を発揮する。

 シロリムスは吸収に個人差があるため血中濃度が変化しやすく、食餌による影響を受ける。また、代謝はチトクロームP450(CYP3A4)を介して行われるため、併用薬によって血中濃度が上昇をみることがあり、血中濃度測定が推奨される。
なお、シロリムスは平滑筋細胞の増殖抑制作用も有するため、シロリムス溶出ステントとして冠動脈拡張後の再閉塞防止にも応用されている。

2. 禁忌
 生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)との併用。抗菌薬の一部には併用しないことが推奨されている。

3.採血時期
 次回投与直前(トラフ)

【主に用いられる疾患】
 リンパ脈管筋腫症
【副作用】
 間質性肺疾患、感染症、消化管障害、アナフィラキシー、進行性多巣性白質脳症(PML)、BKウイルス腎症など
 

※主な商品名:ラパリムス

※チャート参照:特定薬剤治療管理料

チャート 

特定薬剤治療管理料

容  器 
提出容器

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