検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00050 |
カルシウム (Ca)3H030-0000-023-271 |
遠心
|
01 |
2週 冷蔵 |
アルセナゾⅢ法 | mg/dL 8.4~10.4 |
包括11 D007 1 生Ⅰ |
1~2日 |
項目 コード |
検査項目 |
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00050 |
カルシウム (Ca)3H030-0000-023-271 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
2週 冷蔵 |
アルセナゾⅢ法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
mg/dL 8.4~10.4 |
包括11 D007 1 生Ⅰ |
1~2日 |
備考
診療報酬
- 保険名称:血液化学検査/カルシウム
- 実施料:包括11
- 診療報酬区分:D007 1
- 判断料区分:生化学的検査(Ⅰ)
チャート


臨床的意義
骨代謝だけではなく筋収縮、血液凝固にも必須な物質。PTH、ビタミンD、カルシトニン等が血中濃度を厳密にコントロール。
生体内のカルシウムは99%が骨、歯などの硬組織に貯蔵されており、血中に現れるのはごく一部である。血清濃度は厳密にコントロールされており、副甲状腺ホルモン(PTH)・ビタミンD・カルシトニンの作用により、腸からの吸収、腎からの排泄、骨からの放出、骨形成の間で無機リンと拮抗的にそのバランスを保っている。血清カルシウムの働きはNa・Kとの拮抗作用、浸透圧の調節、筋肉や神経の興奮度の調節、血液凝固や酵素活性を賦活化させる等があげられる。
低カルシウム血症ではしびれ感、痙攣、テタニー、心電図ではQT延長を呈する。高カルシウム血症では筋力低下、骨や軟部組織の異常石灰化、尿路結石症などを発来する。これらの病態を診断する場合は、血清、尿中カルシウムとともに無機リン濃度も測定し、カルシウム代謝系の総合的評価を行う。
なお、血中に遊離型として存在し、筋収縮など生理作用に関与するCa2+を「イオン化カルシウム」という。アルブミンの濃度や、血中pHの影響を受けるため、別に測定される。
【高値を示す病態】
ビタミンD過剰、原発性副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍(骨転移またはPTHrP等の体液因子による)、サルコイドーシス、結核 など
リチウム、サイアザイド系利尿剤投与時
【低値を示す病態】
ビタミンD欠乏症および活性化障害(くる病)、吸収不良症候群、ネフローゼ症候群、大理石病
[血清リン↑] 腎不全
[PTH↓] 特発性・続発性副甲状腺機能低下症
[PTH↑] 偽性副甲状腺機能低下症
参考文献
延野真弓, 他: 機器・試薬 26, 235, 2003.