WEB総合検査案内 掲載内容は、2024 年 11 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00240 |
α1アンチトリプシン |
遠心
|
01 |
冷蔵 |
ネフェロメトリー法 | mg/dL 94~150 |
80 D006 10 血液 |
2~5日 |
項目 コード |
検査項目 |
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00240 |
α1アンチトリプシン |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
冷蔵 |
ネフェロメトリー法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
mg/dL 94~150 |
80 D006 10 血液 |
2~5日 |
診療報酬
- 保険名称:出血・凝固検査/α1-アンチトリプシン
- 実施料:80
- 診療報酬区分:D006 10
- 判断料区分:血液学的検査
容器
容器番号01:汎用容器(分離剤入り)
- 容量: 6mL・8.5mL
- 添加剤: 凝固促進剤
- 保管方法:常温
- 有効期間:容器および箱表示
- 主な検査項目: -
参考文献
山下順香, 他: 医学と薬学 29, 1239, 1993.
検査項目解説
臨床的意義
代表的な急性相反応物質のひとつである。欠損症で若年性肺気腫を引き起こすタンパク質である。
α1アンチトリプシン(α1AT)は、394個のアミノ酸からなる分子量約51,000の糖タンパクで、電気泳動上はα1グロブリン分画に泳動される。血中の代表的なプロテアーゼインヒビターである。トリプシン,キモトリプシン,トロンビン,エラスターゼなど広範なセリン・プロテアーゼを阻害するが、主眼となる生理機能は好中球エラスターゼの阻害であり、1対1で結合して組織障害の拡大を防ぐ役割を担っている。
α1ATは、C反応性タンパク(CRP)をはじめとする急性相反応物質(acute phase reactants)の一種である。急性相反応物質とは、組織の損傷や感染、急性の炎症に対して非特異的に急性相反応を誘起する物質の総称で、α1ATやCRPの他、α1AG、セルロプラスミン、ハプトグロビンなどが含まれる。
急性・慢性感染症、自己免疫性疾患、アレルギー性疾患などにより組織障害が起こると、これらの産生が亢進し、血中濃度が上昇する。α1ATは悪性腫瘍、特に肝癌、肺癌、白血病でも高値になり、一般に腫瘍の大きさや、転移の有無に相関するといわれている。
α1ATには遺伝的に著明な低下をみるα1AT欠乏症および欠損症があり、若年性肺気腫や小児肝硬変の原因になることが1960年代に相次いで報告された。α1AT欠乏症は、α1ATの遺伝子の塩基置換に基づくアミノ酸変異という質的異常を伴いながら、α1ATの量的減少が認められる先天性代謝異常である。本症ではプロテアーゼとプロテアーゼインヒビターの均衡障害により若年性肺気腫や小児肝硬変がおこると考えられている。
【高値を示す疾患】
感染症,動脈血栓症,静脈血栓症,肝癌,悪性腫瘍,肝疾患,アルコール性肝炎,膠原病,妊娠
【低値を示す疾患】
ネフローゼ症候群,α1-アンチトリプシン欠乏症,新生児呼吸窮迫症候群<IRDS>
関連疾患
C22.0.1:肝癌 → C15-C26:消化器腫瘍
C80.9.7:悪性腫瘍 → C76-C80:その他の部位不明腫瘍
K70.1.1:アルコール性肝炎 → K70-K77:肝疾患
K70-K77:肝疾患 → K70-K77:肝疾患
M35.9.3:膠原病 → M30-M36:全身性結合組織疾患
Z33.1:妊娠 → Z30-Z39:妊娠による影響
B99-B99:感染症 → B99-B99:感染症
I74.9.4:動脈血栓症 → I70-I79:動脈・細動脈・毛細血管の疾患
I82.9.3:静脈血栓症 → I80-I89:静脈・リンパ管・リンパ節の疾患
E88.0.1:α1-アンチトリプシン欠乏症 → E70-E90:代謝疾患
P22.0:新生児呼吸窮迫症候群<IRDS> → P20-P29:新生児呼吸不全
N04.9.3:ネフローゼ症候群 → N00-N08:糸球体疾患
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.