検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00602 |
蛋白定量[尿検査]1A015-0000-004-271 1A015-0000-001-271 |
または
|
25
25 |
冷蔵
冷蔵 |
ピロガロールレッド法 | (蓄尿) |
7 D001 1 尿便 |
1~2日 |
項目 コード |
検査項目 |
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00602 |
蛋白定量[尿検査]1A015-0000-004-271 1A015-0000-001-271 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
または
|
25
25 |
冷蔵
冷蔵 |
ピロガロールレッド法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
(蓄尿) |
7 D001 1 尿便 |
1~2日 |
備考
依頼
- 蓄尿の場合は、依頼書に1日蓄尿量を必ず明記してください。
検体2
- 部分尿は基準値の設定はありません。報告単位はmg/dLです。
参考
- 総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。
「尿検査」中分類共通の特記事項
- [ご参考]「尿検体の採取方法」(チャート参照)を掲載しています。
診療報酬
- 保険名称:尿中特殊物質定性定量検査/尿蛋白
- 実施料:7
- 診療報酬区分:D001 1
- 判断料区分:尿・糞便等検査
臨床的意義
尿中の蛋白量を測定し、腎疾患の早期発見や治療効果をみる検査。
腎泌尿器系疾患のスクリーニングに用いられるもっとも基本的な検査のひとつである。
尿蛋白の測定には、一般に試験紙法による半定量がスクリーニングに用いられる。しかし、蛋白の種類により感度が異なるため、ベンスジョーンズ蛋白のスクリーニングや腎不全患者での経過観察には本法のような定量検査が必要となる。
生理的条件下での蛋白尿には次のようなものが知られている。すなわち、過激な運動、精神的ストレス、多量の肉食、熱い湯での入浴後、月経前などに生理的蛋白尿が一過性に出現する。起立性蛋白尿は小児に多くみられ、起立時に出現し安静臥床にて消失することが知られている。しかし、これらはいずれも一過性で、蛋白量も少ない。
腎疾患以外の病態でみられる蛋白尿には、発熱時や黄疸に認められる熱性蛋白尿、尿路の炎症による血液・膿・粘液などの混入にもとづく仮性蛋白尿、多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症によるBence Jones蛋白、溶血や筋肉崩壊に伴うヘモグロビン尿、ミオグロビン尿などの特異な蛋白尿が知られている。
一方、本来の腎疾患(糸球体腎炎、ネフローゼ症候群など)による蛋白尿を腎性蛋白尿といい、糸球体性蛋白尿と尿細管性蛋白尿に分類される。いずれも持続的かつ比較的多量な蛋白尿であるが、糸球体性蛋白尿以外では蛋白量が病態の軽重と必ずしも一致しない。
一般に糸球体性蛋白尿では腎糸球体の選択的蛋白透過性の喪失により、アルブミンなど分子量の小さい蛋白からIgGなど比較的大きい蛋白まで広範に認められる。
蓄尿の際には、正確に全量を測りとる必要がある。
【陽性を示す病態】
[糸球体性蛋白尿] 糸球体腎炎、腎不全、尿毒症、ネフローゼ症候群、腎硬化症、膠原病、IgA腎症、糖尿病 など
[尿細管性蛋白尿] アミロイドーシス、妊娠中毒 など
参考文献
小田切隆貢, 他: 機器・試薬 24, 21, 2001.