WEB総合検査案内 掲載内容は、2024 年 10 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
06857 |
トータルPAI-1 |
遠心
|
15 ↓
02 |
2週 凍 |
ラテックス凝集法 | ng/mL 50 以下 |
包括240 D006 32 血液 |
2~5日 |
項目 コード |
検査項目 |
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06857 |
トータルPAI-1 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
15 ↓
02 |
2週 凍 |
ラテックス凝集法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
ng/mL 50 以下 |
包括240 D006 32 血液 |
2~5日 |
備考
検体
- 必ず血漿分離の上、ご提出ください。
- 検体提出(容器番号02)は、4mL容器をご使用ください。
- チャート参照:出血凝固検査において、多項目同時依頼の際の必要血漿量は、[0.40 + (0.10 x 依頼項目数)]mLが目安となります。
参考
- 総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。
「出血凝固検査」中分類共通の特記事項
- クエン酸血漿をご提出の際は、3.2%クエン酸ナトリウム液0.2mL入り容器に血液1.8mLを正確に入れ、全量2.0mLにしてよく混和後、温度設定18℃~25℃、1,500×gで15分以上または2,000×gで10分以上遠心分離し、血漿を凍結してご提出ください。
[ご参考]「遠心力の換算表」(チャート参照)を掲載しています。
診療報酬
- 保険名称:出血・凝固検査/tPA・PAI-1複合体
- 実施料:包括240
- 診療報酬区分:D006 32
- 判断料区分:血液学的検査
チャート
容器
容器番号15:血液凝固検査用容器
- 採取量: 1.8mL
- 添加剤:
3.2%クエン酸Na
0.2mL - 保管方法:常温
- 有効期間:容器および外袋表示
- 主な検査項目: 凝固因子活性,
PT,APTT,FIB,
AT,血中FDP
容器番号02:汎用容器
- 容量: 4mL・10mL
- 添加剤: -
- 保管方法:常温
- 主な検査項目: 血清,血漿提出用
参考文献
曽我部万紀, 他: 医学のあゆみ 173, 12, 1995.
Madoiwa, S. et al.: Int. J. Hematol. 84, 398, 2006.
検査項目解説
臨床的意義
プラスミノーゲンアクチベーターと結合して線溶系を抑制する糖タンパクである。血栓症、DICで高値となる。
PAI-1は、分子量約50,000、アミノ酸379個からなる糖タンパクである。主たる機能は、線溶系の阻害にあり、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)という酵素を阻害することである。t-PAは、活性中心にセリンを持つタンパク質分解酵素(セリンプロテアーゼ)であり、主に血管内皮で産生され、血栓を溶解する主役であるプラスミンの産生を担っている。
線溶系の暴走は止血障害をもたらすため、これを制御する役割をPAI-1は担っている。PAI-1は、t-PAと特異的に1:1結合し、t-PA・PAI-1複合体を形成することでt-PAを失活させ、線溶系を抑制する。
PAI-1は血管内皮細胞や脂肪細胞、骨髄巨核球などで産生され、血小板に貯蔵される。
出血で血小板が活性化されると、PAI-1は血中に放出され、t-PAと不可逆的に結合してt-PAを失活させ、プラスミン生成を抑制することで、アンチプラスミン(α2-PI)とともに線溶系を抑制する。なお、tPAの95 %以上はt-PA・PAI-1複合体になっており、ほとんどが中和されて存在している。
本検査では、t-PA・PAI-1複合体を含めたPAI-1の総量が測定される。血中でのPAI-1濃度の上昇は線溶活性が低い、つまり血栓ができやすい状態を意味する。
α2-PIやプラスミノーゲンの血中濃度は、通常ほぼ一定に調節されている。これに対しPAI-1の血中濃度は病態によっては100倍以上と振れ幅が大きいため、敗血症や播種性血管内凝固(DIC)の病勢評価に活用される。
なお、PAI-1には日内変動があり、早朝は高く、夕方から夜にかけて半分以下に低下するという特徴がある。よって採血時間を一定に保つ(原則として早朝空腹時)とともに、血小板を刺激しないよう血漿分離は注意深く行う。
【高値を示す疾患】
播種性血管内凝固,動脈血栓症,深部静脈血栓症,静脈血栓症,肝疾患,敗血症,2型糖尿病,血栓性血小板減少性紫斑病,妊娠
関連疾患
A41.9.3:敗血症 → A30-A49:細菌性疾患
E11.91:2型糖尿病 → E10-E14:糖尿病
M31.1.1:血栓性血小板減少性紫斑病 → M30-M36:全身性結合組織疾患
Z33.1:妊娠 → Z30-Z39:妊娠による影響
D65.8:播種性血管内凝固 → D65-D69:凝固障害
I74.9.4:動脈血栓症 → I70-I79:動脈・細動脈・毛細血管の疾患
I80.2.4:深部静脈血栓症 → I80-I89:静脈・リンパ管・リンパ節の疾患
I82.9.3:静脈血栓症 → I80-I89:静脈・リンパ管・リンパ節の疾患
K70-K77:肝疾患 → K70-K77:肝疾患
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.